➓【2023年(令和五年)大河ドラマどうする家康記念⑩】天下人・徳川家康の物語(家康小説の一部を先行掲載)徳川家康よ、どうする??
11天下人家康征夷大将軍慶長八年(一六〇三年)二月十二日、家康は朝廷に働きかけて「征夷大将軍」に任命された。そして、さらに策をめぐらす。孫娘の千姫と秀頼を結婚させた。まだ十代半場の年同しの”ままごと”結婚であった。「家康殿、きょうはめでたい日じゃ」淀殿は上座でいった。「そうですなぁ」家康はいった。「いずれ……淀殿と秀頼さまに江戸にきて頂きたいものですな」淀殿は言葉を呑んだ。家康の心がわからなかったからだ。家康の息子(次男)、秀忠は副将軍となった。家康は大坂をアンタッチャブルにしておいた。もし、今、秀頼を殺せば、福島正則や黒田長政や毛利、上杉、島津、もどう動くかわからない。自分の立場を確固としたものにしなければならない。今、自分が秀頼をたてず天下人になる……という正体を隠しておいた。世の中には、秀頼が成長す...➓【2023年(令和五年)大河ドラマどうする家康記念⑩】天下人・徳川家康の物語(家康小説の一部を先行掲載)徳川家康よ、どうする??