二つの保守―日本系と大日本帝国系?
今般の菅義偉政権の成立は、自民党内における分断を表面化するきっかけとなったように思えます。田中角栄政権が誕生した頃から、国民の目には見えない処で鬩ぎあいが続いてきたのでしょうが、親中派と反中派との間で同じ党とは思えないほどのスタンスの違いが見受けられるのです。かねてより自民党は、保守政党の看板を掲げながらも、その実態は、共産主義者までもが混在する‘包括政党’とも称されてきました。‘清濁併せ呑む’、あるいは、無節操ともいうべき党内の多様性こそが、実のところ、長期政権を支える強みでもあったのです。しかしながら、親中派政党である公明党との連立が固定化する一方で、党内では二階俊博議員が総務会長や選挙対策局長といった重職を歴任し、2016年から今日至るまで幹事長職に居座り続けるに至ると、同党は、頓に親中色を強めてゆくこと...二つの保守―日本系と大日本帝国系?