ギャンブルではなく、論理的に投資と経済を考えたい方にぜひ参加していただきたいです。 そして、投資を論理的に行う方法を教え合い、投資の知識と技法を高めあう場所にしたいと考えています。
1件〜50件
【アメリカ経済の崩壊?】国内のインフレを鎮静化しつつ、BRICSとの経済戦争に勝てるのか?
中国「米国の12倍の割合で『産業用ロボットを導入』」
SMIC「米国の規制を回避して7nmチップを製造」
オーストラリアと中国「2020年初頭以来のハイレベル対話を再開」
中国「半導体戦争を棚上げし米国と前進」
ファーウェイの新型スマホが中国製チップの在庫を潤す
日本「アフリカの鉱物資源で『中国の支配力』を試す」
マイケル・ハドソン「独立した世界を創り出す」:負債、戦争のスポンサー、米ドルとBRICSの未来
欧米における「大きな政府」の復活は短命に終わるだろう
デカップリングだけでは中国の技術的挑戦に対応できない
マイケル・ハドソン「グローバル・サウスへの経済干渉」
マイケル・ハドソン「アメリカは再工業化できるのか?」
バイデンの「ハイテク戦争非常事態」の背後にある誤った理解
規制強化で中国のヘッジファンドの3分の1が消滅へ
中東における中国の影響力の実態
キャメロン英外相はウクライナ防衛のためアメリカを動かすという、チャーチルの役割をどこまで果たせたか?
ウクライナだけでなく、アメリカの覇権にもプランBはない
プーチン大統領「ウクライナ危機は欧米が覇権を維持しようとしたことが原因」
ペペ・エスコバル「BRICS 11- 戦略的な力業」
マイケル・ハドソン「超帝国主義」p.121
BRICSが11カ国に拡大、全世界GDPの37%を占め、多国間主義に「大きな後押し」
ラブロフ外相「西側のスローガンは変わったが、『世界を意のままにする』という目標は変わらない」
インドネシア、イラン、あるいはキューバをBRICSに加える構図
マイケル・ハドソン「グローバル・サウスへの経済干渉」
マイケル・ハドソン「アメリカは再工業化できるのか?」
マイケル・ハドソン「超帝国主義」p.100
ペペ・エスコバル「地政学的なチェス盤は『アメリカ帝国に不利』な方向へ動く」
マイケル・ハドソン「超帝国主義」p.96
マイケル・ハドソン「超帝国主義」p.82
マイケル・ハドソン「超帝国主義」p.75
ロシアによる軍事介入を受ける以前から、ウクライナは、巨額の対外債務を抱え、資金繰りに苦しむ国でした。’ウクライナ危機’とは、かつてはこの財政危機を意味していたのですが、今では、国際紛争にその席を譲っています。ところが、今般、スイスにおいて開かれたウクライナ復興国際会議では、今後、二つの’ウクライナ危機’が合流してしまう可能性を示しています。同会議に出席したウクライナのデニス・シュミハリ首相によれば、同国の復興には100兆円を超える資金を要するそうです。同国際会議では、「ルガノ宣言」が採択されており、復興の中心的な推進国をウクライナに定めています。この宣言によれば、復興資金も当事国であるウクライナが負担すべきということになるのですが、戦争被害に対する賠償金の問題は、本来、ウクライナとロシアとの間において締結...リスクに満ちたウクライナ復興資金問題
フランスの著名な人類学者であるエマニュエル・ドット氏は、今日、日本国の核保有を支持する稀な知識人の一人です。外的圧力もあって、なかなか核保有を言い出せない日本国にとりましては、海外の識者からの指摘はありがたいお話なのかもしれません。何故ならば、国際社会、少なくとも各国政府によって構成される国際政治の世界では、必ずしも言論の自由が保障されているようには見えないからです。日本国の核保有を支持する理由としては、日本国の独立国としての自立性、並びに、米国依存の安全保障の脆弱性の克服等を挙げております。同見解は、対米追従を回避するために核保有国となったフランスのド・ゴール路線とも一致しています。もっとも、ドット氏は、改宗ユダヤ人の家系に生まれており、その思想には、共産主義への強いシンパシーも伺えます。以前の論説では...国際社会に言論の自由を-核の自衛的使用の問題
岸田文雄首相は、今般、日米同盟の枠を越えて日本国の首相として初めてNATOの首脳会議に出席いたしました。日本国は、いわばNATOの準加盟国となった感があり、多国間軍事同盟、即ち、陣営への参加は、ロ・中陣営との近い将来における第三次世界大戦を想定しているとしか考えようがありません(もっとも、三次元戦争としての第三次世界大戦は既に始まっているかもしれない…)。となりますと、今般の首相の決断?は、日本国民にとりましては極めて重大な意味を持つこととなりましょう。現状のままでは、日本国も参戦し、自国が戦場となる可能性が一気に高まるからです。それでは、参戦を想定した岸田政権の軍事同盟政策に対して、日本国内において国民的なコンセンサスは成立しているのでしょうか。今般の首脳会議では、NATO加盟を予定している北欧2カ国に...参議院選挙の最大の争点は’日本国の参戦問題’では?
不合理な出来事や誰もが納得できない事柄には、必ずや表にされていない何らかの目的があるものです。今般の岸田政権による途上国に対するインフラ支援もその一つに数えることができましょう。何故ならば、5年間で凡そ8.8兆円という額は極めて高額ですし、中国が推進してきた「一帯一路構想」への対応(対抗)としか述べておらず、その財源を含め、政府は、国民に対して説明らしい説明を怠っているからです。そこで、ウクライナ情勢を踏まえて、本日は、同問題について推理を試みてみたいと思います。迷探偵かもしれませんが…。あくまでも推理に過ぎないですが、本ブログでの見立ては、日本国による同支援策は、迂回ルートを経由したものであれ、ウクライナ、あるいは、ロ・ウ両国の背後に控える超国家勢力への資金提供となるのではないか、というものです。先日、...岸田政権の海外大盤振る舞いを推理する
7月10日に予定されている参議院選挙は、本日、6月22日に公示されます。530人が立候補すると報じられておりますが、近年、’政党政治が、むしろ民主主義を損ねているのではないか?’とする疑いが濃くなってきているように思えます。これまで、政党政治、あるいは、複数政党制は、議会制民主主義を具現化する基礎的な制度として理解されてきました。複数の政党が議席、さらには、政権を競う複数政党制では、有権者である国民による自由かつ民主的な選挙の実施を前提としているため、一党独裁体制や独裁体制に対する’反対語’としても解されてきたのです。’複数の政党が存在しているのだから、自分の国は民主的国家である’とする安心感を国民に与えていたかもしれません。しかしながら、今日、この固定概念を覆すような現象が頻発しているのです。先ずもって...政党政治が民主主義を損ねる?
ウクライナ危機の発生当初、自由主義国の政府も大手メディアも、’ロシアが悪い’の一色でした。正義は、ロシアから侵略を受けたウクライナにある、と。ウクライナと共にロシアと戦おうとする勇ましい声も聞かれたのですが、その一方で、ネットなどにアップされたブログ記事などを読んでみますと、必ずしもウクライナ支持一色に染まっているわけではないようです。むしろ、積極的にロシアに正義があると訴えている記事やコメントも少なくないのです。それでは、何故、ロシア正義論が一定の支持を得ているのでしょうか。もちろん、ウクライナ危機の背後では両陣営による凄まじいばかりの情報戦が戦われていますので、ロシア正義論は、ロシアの情報部隊による日本国内の世論操作である可能性があります。しかしながら、人とは、基本的には自らが信じ得るものを信じる存在...ロシア正義論が影響力を有する理由とは?
先日、フランシスコ法王が過去に述べた’三つ目の世界大戦’に関する発言に言及したことから、ウクライナ危機の行方が改めて懸念されることとなりました。2015年頃、即ち今から7年ほど前から、同法王は、既に世界は戦争状態にあると語り始めています。当時、イスラム過激派によるテロやISの勢力拡大からイスラム問題が深刻化していましたし、NATOのフィリップ・ブリードラブ欧州連合軍最高司令官をはじめとして、「アメリカとロシアの核戦争が世界大戦引き起こす」とする不吉な予測もありました。世界大に張り巡らしてきたカトリック教会情報網を擁するバチカンからしますと、法王の発言は、精緻な情報分析に基づく人類に対する‘警告’であったのかもしれません。2016年の法王発言において特に興味深いのは、具体的な国名や発端となる地域紛争を挙げる...’三つ目の世界大戦’の勝利条件は’第三次世界大戦の回避’では?
地球を舞台とした勢力間抗争の是認を前提とする地政学上の諸理論には、第三次世界大戦、並びに、世界政府樹立への布石ともなりかねないリスクがあります。このため、同思考回路から離れ、国民国家体系を基盤とした国際法秩序の下において全諸国の安全が保たれる体制への転換が求められるのですが、ロシア、中国、並びに、アメリカの3大国に勢力圏拡大、あるいは、囲い込み政策を放棄させることは至難の業です。たとえ三国のうちの一国が放棄したとしても、それは戦争や世界支配のリスクをさらに高めるのみであり、3つの大国全てが同時に方針を転換しなければ意味がないのです。それでは、大国に染みついている勢力圏志向、あるいは、支配欲というものを放棄させる方法は存在しているのでしょうか。夢物語のようにも思えるのですが、完全ではないにせよ、効果が期待で...地政学的思考からの脱皮はNPT体制の見直しから
現代における戦争をつぶさに観察してみると、その多くが、大国間の勢力圏をめぐる角逐に起因しております。表面的には二国間や多国間の地域的紛争に見えても、その背後には大国間の勢力圏争い、そしてそのさらに奥では、超国家的な経済利権が潜んでいるケースが少なくないのです。ウクライナ危機も、エネルギーや穀物等の問題が絡みつつ、地政学的にはまさしくランド・パワー対シー・パワーの激突として理解されましょう。それ故に、世界大戦への導火線となるリスクが極めて高いのですが、本記事では、勢力範囲の拡大追求というものが、幻想である可能性について述べてみたいと思います。大国による勢力囲い込み政策、即ち、ブロック政策が平和をもたらすとすれば、それは、複数の大国、あるいは、ブロック間において勢力均衡が成立する場合のみに限定されます。ヨーロ...大国の勢力拡大願望が‘幻想’である理由
地政学とは、地球上の全ての地形や気候といった所与の自然条件を考慮しつつ、パワー、あるいは、勢力圏相互の角逐について理論的な根拠を与える研究といっても過言ではありません。このため、同理論を現実の政策として採用した大国の覇権主義的な行動も理論において正当化されてしまうため、大国にとりましては好都合です。○○国は、地政学的な理由によって××地域の諸国を勢力範囲に収めている、△△地域は、大国間の狭間なので緩衝地帯の役割を果たしている、あるいは、世界大戦は○○パワーと◇◇パワーとの激突である…などなど。不思議なことに、たとえその政策や行動が国際法に反するものであっても、人々は、それを当然、あるいは、極めて合理的な行動のように認識してしまうのです。もっとも、ハウスホーファー流の地政学とナチス・ドイツの拡張主義との繋が...国際法秩序と地政学的思考は両立しない
地政学的思考には、国境という概念が希薄ですし、むしろ、越境性にこそその特徴があります。国際社会を大国間のパワー・ゲームが展開されるフィールド(戦場)と見立てているのですから、国境線など関係がないのです。そして、こうした大国による勢力圏闘争の思考・行動様式は、中小諸国にとりましては殆ど’悪いこと尽くし’なのです。第一に、中小諸国は、大国の勢力圏拡大政策の客体でしかありません。国民国家体系の下で、今日の国際社会は、民族自決(国民自治)、内政不干渉、並びに、主権平等を原則としています。ところが、全世界が大国のみがプレーヤーの資格を独占するゲーム・ボードもなりますと、中小諸国は、プレーヤーによって動かされる’コマ’でしかなくなります。当然に、これらの諸国の独立性や自立性は無視されるのであり、国際社会の原則も画餅に...地政学と国民国家体系との不整合性-中小諸国の悲惨な境遇
第二次世界大戦後の東京裁判では、日本国は、世界支配を企んだ廉で断罪されることとなりました。今日の日本にあっては、その罪状である「世界支配」という言葉は、どこか陰謀論めいていてSF小説の世界のお話のような印象を受け、「世界支配」に対する認識の低さや嘲笑的な態度が見られます。このような世界支配の実存性に対する日本国内における冷淡さは、東京裁判に起因するのかもしれないのですが、それは、あくまでも’当時の日本の国力を考えれば’という前提付きです。否、近現代の国民国家体系にあっては地球上には細かに国境線によって区切られた国家群がひしめいていますので、たとえ軍事大国であっても、この状態が継続する限り、永遠に世界支配を実現できる実力を備えた国家は登場しそうもありません。それでは、世界支配を本気で実現しようとするならば、...世界大戦は世界支配へのステップ?-地政学の逆さ読み
地政学の理論は、今日に至るまで国際社会を徘徊しており、大国の行動を理解するに際して大変役に立ちます。地政学の研究は、地球儀、あるいは、世界地図との睨めっことなりますので、大国が自らの勢力圏を囲い込む、あるいは、拡大する上での指南書ともなり得るのです。しかしながら、大国の世界戦略を理論的に支える一方で、地政学は、国益のみに焦点を絞るものではありませんでした。むしろ、シー・パワーやランド・パワーといった用語が示すように、特定の国家を対象としたものでも、ナショナリストとしての自国の対外政策としての世界戦略を論じたものでもなく、国益とは離れた視点から地球上において展開されている大国間の勢力圏争い、即ち、パワー・ゲームを眺めています。このことは、大国さえも、地政学の視点からしますと’世界戦略’の実行者に過ぎない可能...地政学を逆さから読む
地政学とは、スウェーデンの地理学者であったルドルフ・チェレーン(1864-1922年)に始まるとされています。その後、20世紀初頭にあってマッキンダー、ハウスホーファー、ハマンといった地政学者が登場し、彼らの学説や考え方は、各国の対外政策、否、世界戦略に少なくない影響を与えるのみならず、実践される場合もあったのです。いわば、専属ではないにせよ、政策決定者に対して指南役を務めていたとも言えましょう。地政学者たちは、国益に奉仕する国家主義者のイメージがありながら、これらの著名な地政学者のパーソナルな背景には、超国家権力体とでも表現すべき勢力の影が見え隠れすることは、昨日の記事にて指摘したところです。そして、地政学の観点から日本国の近代史を見直しますと、これまでの説明とは違った姿が歴史に浮かび上がってくるように...地政学と日清・日露戦争の謎
これまで、戦争とは、大半の教科書では国家間の武力衝突として平面的に描かれてきました。戦争名の多くは、当事国、あるいは、当事国双方の国名として表現されています。例えば、日清戦争は日本国と清国との間の戦争であり、日露戦争は日本国とロシア帝国との戦いでした。しかしながら、近代日本の輝かしい戦勝の歴史として記憶されつつも、両戦争の背景をつぶさに観察しますと、幾つかの疑問が湧いてきます。日本国の二つの近代戦争に関する疑問は、何故、この時代、日清戦争や日露戦争が闘われ、さらには二度の世界大戦にまで至ったのか、即ち、全世界的なパワー・ポリティクスの時代となったのか、という問いかけにも行き着きます。そして、そこには、地政学の強い影響が見て取れるのです。地政学と申しますと、アルフレッド・セイヤー・ハマンの海軍戦略論やハルフ...無視できない地政学的な視点-ウクライナ危機に潜むもの
本日、6月2日の報道によりますと、全世界の大手金融機関で構成されているクレジット・デリバティブ決定委員会(CDDC)は、1日、ロシア国債のデフォルトを認定したそうです。速報として報じられており、ウクライナ危機の最中にあって同国国債への関心の高さが伺えます。日本国内のメディアやネットの論調は、対ロシア経済制裁の成果という評価なのですが、このニュース、果たして朗報なのでしょうか。ロシア国債がデフォルトの認定を受けますと、以後、ロシアは、国際市場から資金を調達することができなくなります。このことは、ロシアが、近々、ウクライナにおける軍事行動を継続するための戦費が不足する可能性を意味しており、自由主義国による’兵糧攻め’の効果が表れてきた兆しとして評価されています。このようにロシア敗北の兆候としてロシア国債のデフ...ロシア国債デフォルトは朗報なのか?
銃規制も核規制も、突き詰めて考えてみますと、人であれ国であれ、生存に係わる問題です。危険に対する認識や対応を誤りますと、命を奪われたり、国が滅亡する運命が待ち受けていますので、本来であれば真剣に考え抜かねばならない問題なはずです。人の生命や国家の独立性は、それらが一度奪われますと、不可逆的に消滅しかねないからです。ところが、これらの問題については、現実や経験知を重んじる保守主義の人々よりも、より理性を尊重しているはずのリベラルな人々の方が、真剣みが足りないように思えます。’殺人や戦争をこの世からなくすには、その手段をなくせばよい’と単純に考えているのですから。リベラル派の人々からしますと、’保守派’は、人類の進歩に逆行している時代遅れの人々ということになりましょう。しかしながら、’保守派’として一括りにはされて...真の理性の尊重とは?-銃規制と核規制の問題
今般の新型コロナウイルス対策の反省点を踏まえ、日本国政府は、「健康危機管理庁」なる行政機関を創設する方針のようです。来年の通常国会での法案提出を目指しているそうですが、この案、空恐ろしい気がいたします。政府による表向きの説明は、新たに出現する感染症に迅速に対応するための司令塔の設置です。現行の組織では、内閣官房の「新型コロナ感染症対策推進室」と厚生労働省の「対策推進本部」に分かれており、両者を統合すれば、指揮命令系統が一本化されるというものです。政府は、デジタル庁の創設時に際しても全く同様の説明をしておりますので、‘統合による迅速化’は、新たな中央集権的な組織改革を実行する際の常套句なのでしょう(独裁体制化?)。しかも、‘司令塔’という呼称からも伺えるように、政府は、感染症を戦争に匹敵する‘有事’と見なしていま...怖すぎる「健康危機管理庁」の創設案
アメリカではテキサス州のユバルディで発生した小学校での銃乱射事件を機に、銃規制の強化を求める声が高まっています。無差別乱射事件が発生する度に銃規制問題が持ち上がり、メディアや民主党支持者を中心に銃の危険性がアピールされるものの、なかなか進展は見られません。その理由の一つは、人間、すなわち、人々の自己保存の本能を取り去ることが極めて困難であるからではないかと思うのです。人とは、外部環境に関する情報処理能力に長けていますので、自らの理性に照らして自分自身の命が危うくなるような状況を受け入れようとはしないものです。否、全ての生物には生存本能が備わっていますので、それが直感であれ、動物であっても命の危険を避ける行動をとることでしょう。銃規制や核規制の問題とは、まさに生命に係わりますので、人々の生存本能を強く刺激してしま...銃規制問題が示唆する全諸国による核武装の合理性
今日、グローバル富裕層さえも、平和の実現を人類共通目的とすることには表立って反対はできないことでしょう。言葉だけであっても、各国政治家、グローバリスト、並びに、’セレブ’と呼ばれるプロモーション係の人々も、メディアを介して戦争を糾弾し、世界平和を積極的にアピールしています。本心はどうであれ、人類共通の目標として平和の実現を設定することには異論はなさそうです。それでは、国際社会においてどのようなシステムを構築すれば、平和は実現するのでしょうか。この問題を考えるに際して、大きく分けて二つの方向性があるように思えます。この二つとは、’世界(グローバル)のヴィジョン’と’国際機構のヴィジョン’として理解されます。以下に、両者を比べてみることとしましょう。’世界政府のヴィジョン’にあっては、国家は消滅すべき存在であると認...平和には世界政府よりも国際警察・司法機構が望ましい理由
’理想’という言葉は、常々肯定的に使われています。その理由は、おそらく、理想には本来、あるいは、将来において’あるべき姿’という意味が込められているからなのでしょう。’あるべき姿’とは、それが何であれ’正しさの基準となる姿’と想定されますので、理想には、価値判断が伴うのは疑い得ません。実のところ、’理想’という言葉は、善悪や価値の判断と不可分に結びついているのです。本ブログでは、新たな国際社会の安全保障体制について考えておりますが、同体制が、未来に向けて改善のメカニズムを備えたものであるならば、当然に、未来の体制は現状よりもより善いものでなければならない’はず’です。となりますと、目指すべきは未来像については、人々の間で善悪や価値判断において一定のコンセンサスを得ておく必要がありましょう。理想に向けて歩を進める...理想主義の独善問題
アメリカでは、またもや銃乱射事件が発生したそうです。事件の現場はまたしても学校であり、米南部テキサス州ユバルディの小学校にあって児童14人、教師一人の尊い命が奪われています。銃乱射事件が発生するたびに、アメリカ国内をはじめ、日本国内でも銃規制を急ぐべきとの論調が沸き上がります。’銃を規制しないからこうした痛ましい事件が起きるのだ’と…。しかしながら、見方を変えますと、逆の見解もあり得るように思えます。そして、この問題、NPTや核兵器禁止条約に対する疑問とも共通していると思うのです。銃規制を支持する人々は、銃=攻撃力(殺傷力)=悪という構図を頭の中で描いています。この構図からしますと、悪(殺人や強盗…)をなくすためには、銃そのものをこの世から消してしまうのは、ロジカルな結論となりましょう。銃規制支持者は、決して悪...銃規制とNPT体制の共通性-抑止力の無視
政治の世界では、解釈によって意味内容が180度も変わってしまうことがままあります。昨日、5月23日に開かれた日米首脳会談の席にあって、アメリカのバイデン大統領は、岸田首相に対して日本国の国連安保理の常任理事国入りを支持したと報じられています。この発言も多分に漏れず、既に解釈論争を引き起こしているようです。第1の解釈は、同発言は、訪日に際してのアメリカ大統領による日本国に対する外交的なリップサービスであったというものです(ネット上では優勢な見解では…)。言葉で常任理事国入りを支持したとしても、それが実際に実現するにはあまりにも高いハードルがあります。先ずもって国連憲章を改正する必要がありますので、同手続きをクリアするだけでも気の遠くなるような時間を要することでしょう。国連総会での改正案の採択には全加盟国の3分の2...バイデン大統領による日本国の常任理事国入り支持の真意とは?
アメリカのバイデン大統領の訪日については、その歴史的な意義を強調する論調が少なくありません。予定されている日米首脳会談では、ウクライナ危機を背景とした日米関係の強化のみならず、将来的な中国による台湾進攻を見越した対中協力の一層の強化を約することとなりましょう。経済分野においても、同会談にあって岸田首相はアメリカが主導するIPEFへの参加を表明する意向なそうです。今般のバイデン大統領の訪日には、抗ロシア・中国を目的とした軍・政・経の三方面からの陣営固めの観があるのですが、同大統領訪問に先んじて報じられた防衛費増額には、いささか疑問があります。何故ならば、防衛費増額の具体的な対象が通常兵器であるならば、それ程の抑止効果は期待できないからです。第二次世界大戦末期にあっては、日本国も、自軍の劣勢を挽回すべく、原子爆弾の...日本国は対中ロ抑止力ならば通常兵器よりも核では?
本ブログでは、5月3日付の記事において新たな安全保障体制の構築の必要性について述べながら、その続きは後日とさせていただいておりました。この間、ウクライナ危機をめぐる各国の動きについて記事を認めてきたのですが、本日からは、新たな安全保障体制にテーマを戻しつつ、ウクライナ危機の解決方法についても考えてみたいと思います。新たな安全保障体制とは、現実、即ち、世界の多様性に柔軟に対応し得る体制として理解し得るものです。これまでの記事で述べてきましたように、今日の世界には、侵略行為を容認するようなロシアや中国のように帝国意識を引きづっている国もありますし、核時代の軍事同盟関係は、兵器がハイテク化しているとはいえ中世の封建時代と類似しています。核保有国である軍事大国を盟主とする一種の’封建関係’が成立しているのです。その一方...ウクライナ危機の司法解決は時期尚早?
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今般のウクライナ危機に際しては、多くの人々が、偶発的な事件を機に世界大戦に発展する事態を懸念しております。しかも、次なる世界大戦は核戦争を招きかねず、全人類の存亡危機と言っても過言ではありません。’その次がない戦争’、それこそが第三次世界大戦となりましょう(最終戦争?)。第一次世界大戦では、’サラエボの一発の銃声’が軍事同盟の連鎖的発動によりヨーロッパ全域を戦場と化すことになりました。一方、第二次世界大戦は、独ソによるポーランド分割の合意―独ソ不可侵条約秘密議定書―に端を発しており、この大戦も、軍事同盟の連鎖性が戦火を世界大に広げています(日本国の真珠湾攻撃による日独伊三国同盟の発動…)。ヨーロッパほど、軍事同盟の連鎖性のリスクを痛いほど経験した地域はないのですが、今般のウクライナ危機に際しては、スウェーデンと...日本国政府は第三次世界大戦の回避に尽くすべきでは?
今日、核兵器という存在が、戦争の勝敗のみならず、国際体制の決定要因となっている現実があります。核兵器が戦況を一変させる’切り札’となるとする認識は、先の戦争にあって、連合国諸国のみならず、劣勢におかれていた枢軸国諸国にあっても核兵器の開発競争に凌ぎを削っていた歴史からも伺えます。そこには、先に同兵器を手にした側が戦勝国になれるとする確信があるからです。そして、実際にそれが広島と長崎に対して使用されたとき、核兵器は、凄まじい破壊力のみならず、絶大なる抑止力をも持つこととなったのです(その抑止力により現に、以後凡そ70年にわたり世界大戦は発生していない)。核兵器とは、いわば人類が手にしてしまった’魔物’なのですが、それ故に、人道的な見地から核の廃絶が訴えられるようになりました。核拡散防止条約も核廃絶に向けた流れの一...NPTは現代を封建時代にする?
ウクライナ危機は、これまで曖昧にされてきた核の両面性、すなわち、破壊力と抑止力に関する判断を、現実における政策選択の問題として問うこととなりました。国連安保理の常任理事国であり、それ故に核を保有するロシアが同紛争の当事国であることにも依るのですが、どちらの側面をより高く評価するのか、そして、その国の立場、即ち、核保有国か否か、並びに、軍事力のレベルにより政策の結果が変わってしまうのです。本日は、幾つかの関係をパターン化して整理してみることとします。なお、関係のパターン化に際しては、国家を、核大国、核中小国、並びに、非核中小国の三者に分けています。先ずもって、軍事大国にとりまして核の寡占的保有は、他の中小の非核保有国に対して、絶対的な破壊力と抑止力のまさに両面の保有を意味します。大国による核保有は、国際社会におい...全諸国による核保相互抑止体制が望ましい理由
報道によりますと、スウェーデンとフィンランドの北欧二国は、いよいよNATO加盟を正式に申請するそうです。非同盟政策を転換してのNATO加盟申請の理由としては、ウクライナ危機によるロシアからの軍事的脅威の高まりへの対応との指摘がありますが、メディアの報じ方からしますと、欧米諸国の動きは、あたかも第三次世界大戦への発展が織り込み済みなような印象を受けます。とりわけここ数日、ロシア側から’好戦的’と非難されても致し方ないような報道が続いています。今般の北欧二国のNATO加盟も、どちらかと申しますと、対ロ陣営の形成、あるいは、西側諸国の結束強化の流れの一環としての解説が少なくありません。あたかも、’ロシア相手に戦う体制が整った’とでも言わんばかりなのです(その一方で、奇妙なことに、ウクライナでの戦況についてはロシア軍の...北欧二国のNATO加盟は望ましいのか?
今般のウクライナ危機は、国連安保理常任理事国であり、かつ、かつての超大国の一国が当事国となった点において、ポスト冷戦期の地域的な紛争とは違いがあります。人類を第三次世界大戦、並びに、それに付随する核戦争の淵に立たせている意味において。そして、過去において同じような人類滅亡に繋がるような危機があったといたしますと、それはキューバ危機であるかもしれません。今般の対立の構図は、どこか1962年のキューバ危機を彷彿させるのです。もっとも、ウクライナ危機発生の経緯をめぐっては米ロの立場は逆となっているようです。キューバ危機は、米ソ両国によるチキンゲームによって核戦争の瀬戸際まで駒を進めてしまった事件です。1959年にカストロ指導の下でキューバ革命を成し遂げたキューバは、その社会主義路線からソ連邦への接近をはかり、経済的支...ウクライナ危機とキューバ危機との逆構図が意味するものとは?
迫りくるロシアの脅威を前にして、NATO加盟の行方が関心を集めてきたスウェーデン、並びに、フィンランドの北欧二国。報道によりますと、NATO加盟に先立って、イギリスが両国に対して安全保障を提供することを約したそうです。中立路線を転換しての北欧二国のNATO加盟申請の背景には、’核の傘’の必要性に関する現実的な認識があったことは疑い得ません。イギリスと北欧二国との間の合意内容は、どちらか一方が他国から攻撃を受けた場合、攻撃を受けた国の要請に応じてもう一方の国が軍事的支援を行うというものです。相互支援を約した双務性のある合意なのですが、同合意を報じる記事の見出し「英が北欧2か国に安全保障提供へ」とあるように、暗黙裏にはイギリスが安全を提供する側と見なされています。イギリスはNPT体制にあって合法的な核保有国ですので...イギリスは北欧二国に’核の傘’を提供するのか?
今般のウクライナ危機は、国連の機能不全を白日の下に晒したという意味において、戦後の国際体制の転換点ともなり得るのかもしれません。そして、’戦争は始めるよりも終わらせる方が難しい’とも称されますように、一旦、国家間の対立が軍事衝突へと向かいますと、それを止めることは容易ではなく、エスカレートしてしまうケースの方が多いのです。起きてしまってからでは遅いのです。そこで、本日からは、戦争の抑止、すなわち、事前抑止の仕組みについて考えてみたいと思います。人類史にあって、’力’が決定要因となってきた防衛や安全保障政策の分野にあっては、先ずもって’力の二面性’に注目する必要がありましょう。力とは、有事にあっては攻撃力、並びに、防衛力となる一方で、平時にあっては抑止力として働くからです。例えば、18世紀初頭にあってスペイン継承...核の抑止力の開放を
ウクライナ危機の発生以来、本ブログにおいては、国際法秩序の維持と第三次世界大戦の回避とのジレンマに関する問題について考えてきました。その過程にあって、国際機構における司法の独立性の確保、並びに、それに伴う中立・公平な執行組織の必要性について述べてきたのですが、同執行組織に最も近い存在として、国連の平和維持活動(UnitedNationsPeacekeepingOperations:PKO)があります。それでは、ウクライナ危機に対しても、同活動を活用することはできるのでしょうか。PKOとは、国連憲章に明記はされた活動ではないものの、国際司法裁判所からその存在と役割について’お墨付き’を得ていると共に、1962年の「総会決議1854」によって承認されています。国連憲章が目指す国際の平和を実現するために、PKOは、今...ウクライナ危機にもPKOを活用する案
ウクライナ危機は、歴史的にも法的にも様々な要因が絡まっており、その解決は容易ではありません。たとえ両国政府の交渉によって停戦が合意されたとしても、抜本的な解決に至るには、まだまだ時間を要するように思えます。それでは、何故、ウクライナ危機は、かくも複雑なのでしょうか。ここで一旦、絡まった糸を解してみる必要がありそうです。一国家が純粋に軍事力によって他国を侵略し、世界征服を目指すという形態は殆どなく(むしろ、世界の全体的支配は、超国家権力体の最終目的では…)、国際紛争の多くは、領有権や資源等をめぐる争いなど、それ固有な対立要因に起因しています。そして、これらの国際紛争は、凡そ、政治問題と法律問題とに分けることができます。政治問題とは、双方の国益が衝突したり、双方が言い分や根拠を有するケースです。どちらか一方に非があ...ウクライナ危機が複雑である理由とは―全体像は立体的?
地域的な紛争を世界大戦へと拡大させないためには、紛争を当事国の間に閉じ込めておく工夫が必要です。その一方で、軍事力において劣位にある中小国が攻撃を受けた場合、国際社会がそれを放置しますと’見殺し’となり、国際法秩序も崩壊してしまします。それでは、攻撃を受けた側が、自力、即ち、個別的自衛権の行使によって攻撃行為を跳ね返すほどの軍事力を備えていない場合はどうするべきなのでしょうか。国際法の執行部隊につきましては、4月8日の記事にて輪郭を描いてみましたが、独立的な国際執行機関を創設するには時間も労力も要します。そこで、執行機関の設立に至る前段階として、当面の間は、安保理常任理事国が対応すべきかもしれません。国際司法機関から犯罪性の認定を受ける以前にあっても(後に、人道的介入として認める司法判断が下される場合もある…)...ウクライナ危機は安保理常任理事国が第一義的に対応すべきでは?
地域的紛争が世界大戦化するリスクは、加害国側の軍事力に比例して上昇します。しかも、被害国側に軍事同盟が存在する場合、集団的自衛権が発動され、またたくまに全世界に戦火が広がります。現状では、一旦、戦端が開かれる、あるいは、宣戦布告がなされますと、当事国以外の同盟国も交戦国となり、国境を接していなくとも、自国にミサイルが飛来したり、サイバー攻撃を受ける危機に直面します。最悪の場合には、核戦争に巻き込まれる可能性もあるのですから、理不尽といえば理不尽なのです。そこで、考えられる国際法秩序と世界大戦化の回避との間のジレンマを解く方法の一つは、第三国の軍事行動をめぐって、その要件や行動規範を定めるというものです。要件の設定に際しては、少なくとも(1)集団的自衛権の発動条項を含む軍事同盟条約の有無、(2)国際司法機関による...国際法秩序と世界大戦化の回避のジレンマを解くには?
ウクライナ危機は、ロシアとウクライナとの二国間関係にとどまらず、今日の国際社会が抱える致命的な問題点をも浮かび上がらせています。このため、地理的に遠方に位置する日本国にあっても関心が高く、国際社会の在り方について国民が深く考える機会ともなっています。先日も、東京大学の入学式にて映画監督の河瀨直美氏が述べた祝辞の内容が、ネット上で議論を呼んでいました。批判的な論調が強かったのですが、その主たる理由は、同氏が、ロシアの’正義’とウクライナの’正義’を同列に並べつつ、ロシア側のみを悪として糾弾する姿勢に疑問を投げかけたからです(もっとも、後半では日本国も他国を侵略する可能性について言及しているため、ロシア側に’正義’があるとするならば、侵略国であるはずの日本国にも正義があることになり、どこか一貫性を欠いている…)。同...’二つの正義’のジレンマとは―国際法秩序と第三次世界大戦のジレンマ
先日フランスで実施された大統領選挙では、過半数を超える票を獲得した候補者はおらず、現職のマクロン大統領と国民連合のルペン氏による決選投票に持ち込まれることとなりました。両者の主張は見事なまでに正反対なのですが、特に関心を集めているのは、ウクライナ危機の最中にあっての安全保障政策の基本方針です。親NATO政策を推進してきたマクロン大統領に対して、ルペン候補は、NATOの軍事機構からの脱退を主張しているのですから、同大統領選挙の結果は、まさにフランスという国の運命を決することとなりましょう。NATOの軍事機構からの脱退はルペン氏が初めて言い出したわけではなく、1966年にシャルル・ド・ゴール大統領が脱退を宣言して以来、アメリカとの間に一線を画し、フリーハンドを確保しようとする独自路線は、暫くの間、フランスの安全保障...フランス大統領選挙に見える人類の共通課題
ウクライナの歴史を辿ってみますと、そこには頭を抱えたくなるような複雑な歴史を見出すことができます。絡まった糸を解きほぐし、当事者や関係者間において合意を形成するには今しばらく時間と努力を要するのでしょうが、本日の記事では、今般のウクライナ危機に限定して正攻法の解決策について述べてみることとします。ロシアがウクライナとの国境線を越えて軍を進軍させた際に、その根拠としたのは、東部地方に居住しているロシア系住民の保護です。同地域では、既にウクライナ政府軍とウクライナからの分離独立を主張する親ロ派武装勢力との間で戦闘が発生しており、いわば内乱状態にありました。当然に、双方ともに民族派が台頭しており、ウクライナ側でも過激な民族主義集団が活動するようになります。そして、民間の義勇団にあって国軍に昇格したのが、ネオナチ集団と...ウクライナ問題解決はジェノサイド条約に従うべきでは?
今般のウクライナ危機は、ロシアによる国際法上の違法行為を以って対ロ制裁の合法的な根拠とされております。日本国政府の政策も同見解に基づいており、再三にわたって、ロシアの違法性を強調しております。その一方で、過去を振り返りますと、日本国政府並びに米欧諸国の政府にあって、国際法違反行為に対するダブルスタンダードが見受けられるのです。それでは、どのようなダブルスタンダードであるのかと申しますと、それは、中国に対する態度との違いです。何故ならば、中国は、南シナ海問題にあって2017年7月に下された常設仲裁裁判所の判決に従わず、今日なおも同海域に居座り、強引に軍事要塞化を進めているからです。ウクライナ危機のケースでは、国際司法裁判機関が、証拠に基づく事実認定を経てロシアの違法性を判断したわけではなく、また、裁判に先立って中...対ロシアと対中国に見えるダブルスタンダード
ウクライナ危機において判明した国連の制度的欠陥は、もはや国連に期待を寄せることはできないという、深刻な現実を知らしめています。国連に絶望したウクライナのゼレンスキー大統領は、安保理理事会において「国連を解体する覚悟はあるのか」と訴えたと伝わりますが、’国連なき国際社会において如何にして安全を確保するのか、という問題は、全ての諸国にとりまして現実的な課題となりつつあります。そこで、本日の記事では、国連なき安全保障体制について考えてみようと思います。国連なき国際社会を想定する場合、国際法の有無を軸に幾つかのケースに分けてみる必要がありそうです。第1のケースは、国連と共に国際法も消滅し、国際社会が、力のみが手段となる野蛮な無法地帯に逆戻りするというものです。第1のケースは、さらに個別的な対応と集団的な対応に分かれます...国連なき安全保障体制の構築は可能?
ウクライナ危機を前にして、日本国政府を含む米欧諸国の政府にあっては、ロシア批判において足並みを揃えています。主要メディアの論調も、’残虐国家ロシア’、あるいは、’ロシア憎し’の凡そ一色であり、国民に対して同国に対する敵愾心を煽っているようにも見えます。人道的介入というロシア側の根拠の真偽については客観的な検証を要するものの、ロシア軍は国境線を越えてウクライナの領域内で軍事作戦を展開しておりますので、一先ずは、紛争の平和的解決を義務付けている国際法には違反しています。このため、多くの人々が、ウクライナ支援や対ロ制裁等を積極的に支持するのも理解に難くはありません。ブチャにおける虐殺事件の報に憤り、ロシアに対する懲罰を求める人々も少なくないことでしょう。日本国内でも、ロシア側による北方領土における軍事演習の実施や主権...第三次世界大戦の阻止もウクライナ危機における人類的使命
今般のウクライナ危機は、ロシアの脅威のみならず中国による台湾や尖閣諸島等への進攻という懸念をもたらしています。ウクライナ危機の場合、先日のロシア軍のキーウ撤退により、ロシアがウクライナという国家そのものを軍事占領する可能性は低くなり、第三次世界大戦への拡大リスクも低下したようにも見受けられますが、今後の中国による侵略、並びに、第三次世界大戦への誘導(三次元戦争のケース)を事前に阻止するための備えは喫緊の課題です。とは申しますものの、国連の枠内であれ、枠外であれ、国際犯罪国家に対する軍事力の行使が、たとえそれが国際法の執行行為であったとしても、平和と戦争との間に解きがたいジレンマをもたらすことは、昨日の記事で述べました。将来の方向性としては、国連の終焉(ロシアの国連人権理資格停止は、国際聯盟時代のようなロシア除名...紛争の世界大戦化を防ぐには
今般のウクライナ危機ほど、国連の無力さを晒した出来事はなかったかもしれません。安保理において事実上の’拒否権’を有するロシアという常任理事国が当事国となったのですから。しかしながら、よく考えてもみますと、国際の平和の維持に責任を負う国連という組織は、その構想において’第3次世界大戦’を想定していたとも言えるかもしれません。国際連盟、並びに、国際連合という組織の基本構想は、全世界の諸国を含む包括的な枠組みにおいて全ての諸国の安全と平和を護ろうというものです。従って、その仕組みは、全メンバーの包摂性においては国家の治安維持の仕組みと共通していると言うことができます。すなわち、犯罪行為を禁じる法律(刑法)の存在を前提として、メンバーの内の一人でも違法行為や犯罪を働いた場合、合法的な物理的強制力(軍事力)の行使が許され...国連は’第三次世界大戦’を想定していた?-戦争と平和のジレンマ
ロシア軍によるウクライナ侵攻を受け、日本国政府は、米欧諸国と協調し、対ロシア制裁に舵を切ることとなりました。本日の報道によりますと、追加措置として、対ロ送金ルートを断つための仮想通貨(暗号資産)規制及び最恵国待遇の取り消しを可能とする二つの改正案の国会での早期成立を目指すそうです。こうした対ロ制裁は、侵略であれ、ジェノサイドであれ、ロシアによる国際法上の違法行為が根拠とされているのですが、矢継ぎ早の対ロ制裁にはいささか不安を覚えます。何故ならば、ロシアの軍事行動は、必ずしもその根拠が否定されているわけでも(ロシアは人道的介入を主張…)、また、犯罪行為についても事実として証明されているわけではありませんし、深く考える時間も与えられず、皆が一斉に同一方向に向かって走り出すときほど危ないときもないからです。今般のウク...対ロ制裁は急ぐべきなのか?
権力分立とは、近代国家の統治機構上の大原則とされています。モンテスキューが『法の精神』において述べたように、とりわけ司法の独立性は、人々の基本的な自由と権利を護る砦の役割を果たしているからです。この文脈における独立性とは中立・公平性を意味しますので、司法権が政治機関に従属しますと、為政者によっていとも簡単に国民の自由や権利が侵害されてしまいます(犯罪者が無罪となり、無実の人が有罪に…)。こうした権力分立の重要性に鑑みますと、今般、取り沙汰されている国連改革についても、権力分立の観点を要するように思えます。報道によりますと、ロシアによるウクライナ侵攻を機に、日本国政府は、国連改革にも積極的に取り組むようです。国連は、同危機に対してあまりにも無力でしたし、しかも、常任理事国による’侵略’は、同制度にあっては想定外の...国連改革も権力分立の観点を要するのでは?-司法の独立性の強化
ロシア軍の撤退に伴い、キーウ近郊のブチャ近郊にて殺害された多数の民間人の画像が多くの人々に衝撃を与えています。子供を含む民間人が惨い姿で虐殺されたとされており、これが事実であれば、戦争犯罪であることは疑いようもありません。それでは、この虐殺事件に対しては、どのように対応すべきなのでしょうか。ウクライナのゼレンスキー大統領がジェノサイドとしてロシアを糾弾するのみならず、同国を支援しているアメリカのブリンケン国務長官も、早々にロシア軍による戦争犯罪を追及する姿勢を示すとともに、ドイツのショルツ首相やイギリスのジョンソン首相なども同様の見解を示しています。もっとも、戦争犯罪追及に関する具体的な行動については、それぞれ相違が見らます。報道されている限られた情報からしますと、ブリンケン国務長官は、「戦争犯罪を裏付ける証拠...ブチャ虐殺事件にどのように対応すべきなのか?-独立した捜査の必要性
この世は、トラブルに満ちています。国家間関係から個々の間の私的関係に至るまで、あらゆる空間で絶えることなき争いや対立が続いているのが人間社会の常のようです。今この瞬間も、ウクライナの地では戦闘が続き、アジアの軍事大国中国は、台湾を自国に併呑すべく虎視眈々と狙っており、平和とは、人類の手の届かない理想であるかのようなのです。それでは、何故、集団と集団、あるいは、人と人とは、敵対関係に陥るのでしょうか。徐々にではあれ、対立関係をなくしてゆくためには、先ずもって対立が生じる原因や基本的な構図を理解しておく必要がありましょう。対立要因は個々のケースによって様々なのですが、それをパターン化して捉えてみますと、その一つに、特定の主体による他者に対する一方的な支配欲によって引き起こされるものがあります。普段は取り立てて意識さ...支配欲という元凶
本日の報道によりますと、ウクライナにおけるロシア軍の士気低下は著しく、ロシア軍兵士の中には命令を拒否する者も現れたそうです。同情報は、双方による激しい情報戦が繰り広げられる中にあって、英国の情報機関の一つである政府通信本部(GCHQ)のフレミング長官からもたらされており、必ずしも‘事実’であるとは限らないかもしれません。しかしながら、仮に同情報が正しいとすれば、どのような理由からロシア軍の士気が落ちてしまったのでしょうか。ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ侵攻に際してロシア系住民に対する虐殺行為を挙げ、ロシア人の愛国心を煽っています。ロシア・メディアも、同大統領の戦争政策に沿って戦意高揚のためのプロパガンダを積極的に行っておりますので、本来であれば、兵士による命令拒否といった事態は起きないはずです。そこで、第...ロシア軍は負けさせられている?-ロシア軍の士気低下の理由とは
昨日23日、日本国では、衆議院第一議員会館の国際会議室に設置されたスクリーン上に映し出されたゼレンスキー大統領の演説が全国に向けて放映されました。注目されていた演説内容は、日本国に対する謝意と対ロ経済制裁の継続を求めるといった比較的穏当なものであり、‘安全運転’に徹しようとした同大統領の姿勢が伺えます。日本国の政界並びに世論を徒に刺激しないための配慮なのでしょうが、もう一つ、注目すべき発言があったとすれば、それは、日本国に対して‘侵略の予防ツール’の考案を求めたことかもしれません。そこで、本日の記事では、ウクライナ危機に照らしながら、侵略を予防できるツールについて考えてみたいと思います。ゼレンスキー大統領は、同ツールの欠如が、今般の’侵略’をもたらしているとみなしているからです。’侵略の予防的ツール’には、凡そ...’侵略の予防的ツール’とは?-ゼレンスキー演説の提言
ギャンブルではなく、論理的に投資と経済を考えたい方にぜひ参加していただきたいです。 そして、投資を論理的に行う方法を教え合い、投資の知識と技法を高めあう場所にしたいと考えています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する話題を扱うテーマです。
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マイナポイントについて書きましょう
頭の中で勝手に 「これだから、こう!」と単純化されていることを 「へー!そうなんだ!すげぇ!」と言って貰える記事を書いています!
これからの道を見つけるために 知恵を出し合う場があったらいいな、と思います。
新型コロナウイルスに対する情報をまとめたい
当たり前のようにもらっている給料、明細はしっかりと読み取っていますか?
中小企業M&Aの情報等・・・。